福島第1原発に放射能漏れの可能性 東電が12日未明発表
2011.3.12 02:15
東京電力の福島第1原子力発電所の(左から)4号機、3号機、2号機、1号機=2008年10月、福島県大熊町
政府は11日夜、東北・太平洋沿岸地震で緊急停止した東京電力福島第1原発から放射能が漏れる可能性があると発表した。一方、東京電力は12日未明、第1原発1号機の原子炉圧力が上昇したことを明らかにした。同社は圧力を外部に逃がす操作を行う方針。放射性物質が外部に出る恐れがあるとしている。菅直人首相は11日、原子力災害に備えた措置を取る必要があるとして、原子力緊急事態宣言を初めて発令した。
枝野幸男官房長官は同日夜の記者会見で、原子力災害特別措置法の規定に基づき、第1原発から3キロ圏の住民に対し避難を、3〜10キロ圏の住民に屋内待機を福島県の佐藤雄平知事らを通じて指示したことを明らかにした。3キロ圏の住民の大半が避難した。避難指示は初めて。
1号機については、東電が12日午前零時50分ごろ、「原子炉格納容器内の圧力が上昇してきている。原子力災害特別措置法に基づく特定事象(格納容器の圧力異常上昇)が発生した」と発表した。
このほか、2号機、3号機も、原子炉内の水位の低下が続けば原子炉内の燃料棒が露出する恐れがあったが、復旧の見込み。
防衛省は放射能漏れのモニタリング調査のため、除染作業などの専門部隊である陸上自衛隊「中央特殊武器防護隊」の要員を出発させた。防護車4両と要員30人が午後9時半に大宮駐屯地を出発し、同原発近くの緊急時対策拠点「オフサイトセンター」に入る。
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