● 早起きは3文の得と言われていますが、今は「節電」がメインとなりその「追い風」は計り知れません。
夜ふかしをしている人が日の出とともに早く起きることは、まず、照明関連の電力を抑えることができます。
1年で最も日が早く昇のは6月1日頃つまり今の時期です。その日をピークに12月1日に向かって一日一日と早く日が昇るのが遅くなってきます。歳を重ねるごとに1年1年が短くなっていくのは誰もがそう思うでしょう。
早起きで人生が好転する【2】
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更新日:2011年06月07日
出社前の時間を有効活用する“朝活”が注目を浴びているが、『「朝4時起き」で、すべてがうまく回り出す!』(マガジンハウス)を著し、Before9プロジェクトを主宰する池田千恵さんは、朝活の先駆者的存在。ヨジラー生活を実践し、その体験をもとに“正しい朝活”を提唱している池田さんに話を聞いた。
早起きで窓際からはい上がる
セミナーで説明する池田千恵さん
就職活動も苦労しまして、30社落ちて拾ってくれたのがワタミフードサービス(元ワタミ)だけでした。当時はまだ知名度もありませんでしたが、創業社長の渡邉美樹さんは本当にパワフルな方だったので、その訓えを近くで聞きたいという気持ちがありました。
当時のワタミはベンチャー精神があって、独立志向のある人にとっては、とても刺激のある環境でした。覚悟さえ決めれば、年齢に関係なく上に行ける実力主義のシステムで、同期でもどんどん出世していく人はいました。でも私は何もかも自分で考えろという環境になかなか馴染めなくて、全く仕事ができませんでした。ベンチャーを希望して入社したのに、大企業並みに一からきちんと教えてもらえることに期待していた、甘い考えが私の中にあったんですね。
入社1年ほどで店長になり、店長になったら本部に行くというのが一般的だったんですが、店舗を任せるのは無理と判断されていたようで、店長になれないまま本部に異動という状況。総務部で備品管理をしていましたが、ここでもやはり使えない私は、入社1年半ですっかり窓際になっていました。
その後転機となったのが、ワタミが設立する関連会社に出向となり、ワタミの創業時からブランディングプロデューサーとして手腕を発揮していたA社長のところに送りこまれたことでした。関連会社では、コピーや掃除の仕方、電話の受け方、基本の「き」から教えてもらったんです。裏を返せば、そんなことさえできない人間だったんですね。
ここで大学入試のときと同じ危機感を感じたんです。このままでは自分はダメになる。そしてあのときと同じように始めたことが早起きでした。
夜に復習するな、朝やれ
7時起床から6時半起床に変えて、始業30分前にファーストフード店で、A社長に教わったことをひたすら、朝の時間にノートに書いていました。社長に「俺の言うことを一字一句漏らさず書いて復習しろ」と言われて、朝、実行したんです。
なぜ朝かというと、早起きした頭で、言われたことを淡々とノートに書いていると、言われるのももっともだと納得できるんですね。これは実体験として感じたことですが、朝と夜は、同じことを考えていても考え方が違ってくるんですよ。
同じことを夜にやると頭にくるんです。いい大人をつかまえてあんな言い方はないだろうとか、言ったときの表情がむかつくとか、嫌な部分ばかり思い出して、しまいには泣いてしまうので、夜の復習はやめてさっさと寝てしまうことにしました。
夜はどうしても落ち込むというか、考え込んでしまうことが多い。つまり感情にフォーカスしてしまうんです。でも朝になれば、一晩寝たことで落ち着いて、事実にフォーカスできる。イライラ感が朝になるとかなり減るんです。
5時半起きでも遅い
この頃から、朝活のメリットを実感し始めました。だんだん起きるのが早くなって、5時半に起きに。社長の指導のおかげと、朝に仕事への準備時間を設けることで、ちょっとずつ確実に前進している自分を意識するようになったんです。
転職は入社して3年後に転職しましたが、このときも落ちまくりました。数えていなかったですけど、20社ぐらいは落ちましたね。それでもめげなかったのは、早起きのおかげかな? 寝ると過去のことは忘れてしまうんですよ。
転職先は外資系コンサル会社で、この頃もまだ5時半起きでしたが、この時間だとフロー状態で集中力が乗ってきたときに、出勤時間になってしまい、物足りなかったんですね。
それでもっと早く起きたいと、睡眠時間を検証しているうちに、落ち着いたのが4時起きだったんです。コンサル会社には6年間在籍しましたが、この頃からほぼ今の生活スタイルになって、今に至っています。
「早寝早起き」ではなく「早起き早寝」
朝4時起きとなると、何時に寝るのか? とよく聞かれますが、夜は11時に就寝、朝4時起床の5時間睡眠を維持しています。けれど最適な睡眠時間は個人によって大きく異なります。まず、集中力が維持できて、生産性も上がるぎりぎりの適正睡眠時間を、ご自身で検証してみてください。
人によっても違うと思いますが、私の経験で言うと早起きを始めるには、段階的に時間を早めていくのではなく、最初から決めた時間に起きるようにした方が始めやすいと思います。早寝早起きではなく、早起きありきの早寝という考え方です。
とはいえ、夜型の人がいきなり8時に寝ようとしても無理な場合もあります。眼がさえて最初は眠れないかもしれませんが、どんなに眠くても朝は決めた時間に起きる、という気持ちで「早起き早寝」を実践してください。海外旅行の時差ぼけを修正するような感覚ですね。
早起きを始めるには10日ぐらいを目安にして始めると、だんだん慣れてくると思います。睡眠時間を短くするのではなく、あくまで活動時間のシフトですので、慣れれば辛くなくなります。
挫折する人が陥りがちなのが、完璧にやろうとすること。決意が強すぎると、1日でもそれが崩れたら「もうダメだ」と挫折してしまうので、1週間のうち5日できたらOKと自分に許しを与えておく。つまり目標の80%でOKと思うと気が楽です。最初から100%やろうとすると、失敗のダメ―ジが大きいし、早起きは辛いと、自分の中で脳内変換してしまう。
早起きは辛いと思いますが、すでに私の中では、早起き=楽しい&成功のカギとなっています。そこに至ると早起きが楽だし、朝の時間が楽しく感じられるようになります。
自転車で坂道を上がるのと一緒でつらいけれど、一度てっぺんに行ってしまえば、下りるときはすごく楽。早起きは初動を達成することで、楽にできるようになります。まずは「早起き早寝」の実践です。
http://media.yucasee.jp/posts/index/7862/1
(2011/6/7/ゆかしメディア)